ごあいさつ

近年、ソフトウェアシステムの不具合による大きな社会問題が続出しており、ソフトウェアシステムこそが情報化社会におけるリスクであるという認識が広く浸透しています。開発すべきソフトウェアシステムも年々、大規模化、複雑化、高度化、多様化の一途をたどる中、このような厳しい現実を打破するために、以下 の特徴を持つ教育が求められています。

  • 小さな例題ではなく、開発現場に則した実践的な事例と演習
  • 先端技術および理論に基づいたソフトウェア工学理論の学習
  • 複雑なシステムをモデル化する技術

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所では、この教育ニーズに対応する研究プロジェクト(トップエスイープロジェクト)を2005年に発足し、次世代のソフトウェア開発の中核となる技術者”スーパーアーキテクト“の育成を推進してまいりました。トップエスイープロジェクトでは、民間団体や他研究機関の協力を得ながら、先端的ソフトウェア開発方法論・ツールの開発現場への適用を目指した実践的教育が行われ、その教育効果についても受講生の修了後の活動等により評価されてまいりました。今後、これらソフトウェア工学の研究・実践・教育に関する取組みの成果をより活用した人材の育成を行うとともに、それらの開発現場への浸透を推進し、情報社会の健全なる発展に貢献するためには、さらに多くの企業、団体、教育機関との連携が求められ、公益性を基本とした信頼性のある中立的な機関が必要と考え、NPO法人トップエスイー教育センターを設立いたしました。

トップエスイー教育センターでは次にあげる活動を展開します。

  1. IT人材育成フレームワークに基づく教育事業
  2. IT人材育成フレームワークの普及促進事業
  3. IT人材育成に関する市場調査・研究事業
  4. 他団体との交流事業

私たちは、次代を担うITプロフェッショナルおよび高度IT人材育成に関わる人々を対象として、これらの活動をより継続性・公平性のあるものとし、日本のソフトウェア産業におけるサイエンスに基づくものづくりを定着させ、情報社会の健全なる発展に貢献する所存です。

NPO法人トップエスイー教育センター
理事長 本位田真一